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2016年10月31日 (月)

第17回 ワシントン条約締約国会議 ツイッターまとめ10/3~10/5

JTEFのツイッターの中で、「第17回 ワシントン条約締約国会議」に関するツイートをまとめた記事です。


10月3日
国内象牙市場閉鎖決議の修正案が全会一致で採択されて一夜明けた3日、第1委員会で、朝一でアフリカゾウの附属書改正提案の審議が始まった。ナミビア提案、ジンバブエ提案、ケニアら29カ国のアフリカ諸国提案の3つだ。最初にナミビアが提案趣旨を説明。無制限の象牙取引再開を求める提案だ。

ナミビアのゾウは1997年に附属書2に格下げされている。附属書2掲載種は輸出国の許可があればその種を輸出できる。だが、アフリカゾウの附属書には、象牙はこの限りではないとの注釈が付いている。この注釈を削除せよというのがナミビアとジンバブエの提案である。

ナミビア政府は趣旨説明の途中で、ナミビアの地域住民組織に発言させるよう求めた。趣旨説明中に政府代表以外の者が発言するなど異例だが、議長はこれを認めた。発言者は象牙取引によるゾウの資源利用によって得られる利益が地域住民に還元されなければゾウと共存できないと訴えた。

その後、ジンバブエの趣旨説明においても地域住民組織が発言を許された。発言者は、象牙を資源として売ることができずにゾウを守る意味はない、我々の資源だ、利益を我々にと訴えた。
続いて、議長から 提案への賛成する国の意見が求められた。スワジランド、ザンビアといった南部アフリカ諸国だ。

ザンビアは、ゾウなどの資源利用が許されないため、若者が密猟に走ると間で発言、提案の採択を求めた。これに対してインドが発言。インドは 、長年に渡って地域住民と、アジアゾウなど野生動物との共存プログラムを模索し、展開してきた。象牙取引に頼らない共存策について喜んで情報提供すると発言。

南アフリカ共和国は、ナミビアらの意見を支持、近年著しい密猟で大量のゾウを失ったタンザニアも、ナミビア
ジンバブエはゾウの管理に成功した国であり支持を表明。米国は、強く反対、米国の野生生物犯罪捜査は、象牙の合法取引が違法象牙の隠れ蓑になっていることを明らかにした、と発言。

日本は、ナミビア、ジンバブエの提案への修正を提案。附属書の注釈は残すが、違法取引され押収されたもの以外の象牙を、象牙取引利益を地域へ還元することを条件にし、象牙の自由な輸出を許すよう注釈を修正するよう求めた。ナミビア、ジンバブエはこの修正に応じた。計画された、日本のアシストである

ナミビア提案日本修正案がまず投票されることとなった。ジンバブエの提案で秘密投票に。
結果は、可決に必要な賛成が3分の2に達するどころか、反対が圧倒的多数で否決された。次にジンバブエ提案の日本修正案が秘密投票にかけられたが、同様に圧倒的反対多数で否決された。

この審議でも明らかだが、日本政府がナミビア、ジンバブエと緊密に連携して、何としても象牙の国際取引を再開させ、象牙を買おうとする姿勢はますます強まっている。また、ナミビアらに手を差しのべる修正意見を述べたのは環境省野生生物課であった。環境省は保全に関する歪んだ考え方に固執している。

ナミビアとジンバブエの趣旨提案の中で、この会議に動員されてきた地域住民が、ゾウは自らの牙を売らなければ、人間との共存はできない、とアピールした。これに対し、インドとナイジェリアは象牙の資源利用に依存しない、地域によりそったプログラムが実際に成立することを強調していたことも重要だ。

引き続き、ケニアらアフリカ29カ国のアフリカゾウ連合による、現在附属書2に掲載されているボツワナ、ナミビア、南アフリカ 、ジンバブエ4ヵ国のゾウを附属書1に戻す提案が審議。多数のアフリカ諸国が提案への支持を求め、4ヵ国が反論するという構図。但しボツワナは象牙取引はしないとの立場。

インドの農村はアフリカ諸国よりはるかに高い人口密度の中で、はるかに深刻な人身事故、農作物被害にさらされながら、ゾウを商業利用することを拒否して共存のために努力している。アフリカでそれが出来ないはずはない。地域に必要なのは生活に密着した支援だ。住民を「象牙政策」に利用すべきでない。

何と 、附属書2掲載国であり、過去2度日本に象牙を輸出したボツワナがケニアらの提案支持を表明! 今日、密猟の危機にさらされていないすゾウ個体群などない、2024年までに象牙取引を全廃すべきと発言。ボツワナは最大の個体数を擁する国でもある。まさに画期的な出来事だ!

午前の会議では、投票装置の具合が悪く、ケニアらによる附属書2に掲載されたゾウを附属書1に格上げする提案の投票は午後に行われることになった。
午後も時間がかかったが、ようやく投票が行われた。果たして3分の2の賛成が得られるか。
投票結果がスクリーンに示された。
結果は残念ながら否決

投票内容は、賛成62、反対44、棄権12。賛成が3分の2に達しなかったのは、EU28ヶ国が反対した結果である。EUの責任は大きい。が、それでも賛成が過半数をかなり越えたことの意味は大きい。アフリカ大陸全体として、ゾウを取引から守ろうという認識が確実に圧倒的多数になりつつある。

EIAサイドイベント。Japan's Illegal Ivory Trade 会場。立見も出る70名参加。JTEF坂元事務局長も報告。日本政府アドバイザー石井氏が参加し管理は問題なしと。日本政府代表とも意見交換ができると良いのだが。
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スワジランドによる自国のシロサイの角の取引再開提案が審議されている。シロサイはアフリカ全体で2万頭のみ。ところが、2008年以降6000頭も密猟されている。サイ角の需要が原因だ。ここ数年の激しい密猟は目に余る。しかし「サイ所有者協会」など南部アフリカのサイ関係業界の力は強い。

南部アフリカ諸国が建前として述べる理屈は、サイ角取引を合法化して需要を満たせば密猟を減らせるというものだ。だが、中国の他ベトナム等で拡大した需要に応えようとすればサイはすぐいなくなってもしまうだろう。議論では、南部以外のアフリカ諸国のみならず、アジアのサイ生息国も強く反発した。

日本は例によって提案を支持した。産業利用を擁護する提案は原則支持の姿勢が露わだ。結局、秘密投票が行われることになった(スワジランドのシロサイ(附属書2)の角の取引再開について)。
結果は、3分の2賛成多数どころか、100票反対で圧倒的に否決された。深刻な密猟の中、当然の結論だ。

10月4日
委員会での全ての審議が本会議で本日確認されている。ゾウに関しては全てのゾウの附属書を取引禁止の1に格上げする提案が委員会で否決されたので、本会議で再議論されるかと思っていたが、票読みして困難と判断したのかケニアも提案しなかったようだ(EUを説得できなかった?)。ゾウの審議は採択。

会議の閉会にあたって、各国が所感を述べています。ある国は、述べました。「ワシントン条約は科学に基づいて意思決定をおこなわなければなりません。しかし、それ以前に地球と野生生物に対する倫理、さらに言えば、野生生物に対する「思い」を持って臨まなければならないのではないでしょうか。 」

10月5日
今回のワシントン条約第17回締約国会議について、旧知の海外NGOの人たち(皆、この道20年選手)と感想を交わしましたが、例外なく笑顔で、"One of the best".
野生生物の搾取的利用の礼賛から、保護へと大きく流れが変わったということです。
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確かに、すべてのアフリカゾウを附属書Ⅰへ戻す(国際取引の全面禁止)という悲願は3分の2の賛成票を得るには至りませんでしたが、過半数を大きく越えました。何より、「国内市場閉鎖決議」がわずかな妥協によって全会一致採択されました。ゾウ以外のほとんどの議題でも国際取引規制が強化されました
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ワシントン条約は、75年の発効以来、89年の全アフリカゾウ附属書Ⅰ掲載で保護の勢いが頂点に達しましたが、その後「サステイナブル・ユース」の衣を借りた搾取的利用推進の逆襲を受け、97年の日本への象牙取引再開で形勢逆転、以来、保護の冬の時代へ。が、今条約締約の精神に回帰しつつあります
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一つ一つの国の方向性を観察しても、この10年間で大きく変わった国が多いのが印象的です。保護のもと結束する大多数のアフリカ諸国、大きな問題は残るものの大胆な保護の強化をする中国、再び毅然とした姿勢を示す米国。その中、産業利用一辺倒の政策を20年来全く変えぬ日本は発展を忘れた「化石」
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日本の特異さが際立ちつつ、野生生物保護に新たな一歩を踏み出したワ条約。一方、各国を動かした背景には、皮肉にも、ゾウ、サイ、様々な生きもたちへの危機の高まりがあったことを直視する必要があります。大事なのは、これから。JTEFは日本の象牙市場閉鎖の実現に向けて行動していきます。報告了
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